[2-C-3-08] CDA準拠からFHIR準拠へ
HL7CDA, Standardization, HL7FHIR
医療機関同士の情報連携の推進には医療文書フォーマットの標準化が重要であり、過去に我々は電子化処方箋規格開発、検査と処方医薬品コード等の標準化、特定健診データの電子的交換のための仕様策定を厚労科研で実施し、成果は厚生労働省標準規格等に採用されている。これらはHL7Ver3にもとづくCDA(Clinical Document Architecture)規格に準拠していたが、昨今、Webインタフェイス(Web API)と親和性が高く実装ハードルが低い新規データ交換手法HL7 FHIRが出現している。HL7 FHIRは、米国等で急速に仕様策定と実装の試みが始まっており、既存医療文書データ交換規格を、HL7 FHIRにつながる新たな標準規格として日本での適用の是非を検討すべき時期にきている。今年度、厚生労働科学特別研究事業の支援を得て、電子処方箋、健診結果報告書、診療情報提供書、退院時要約について、HL7 FHIRに準拠した規格案を新たに策定し、現場を想定した環境でフィージビリティ確認を行い、規格仕様書を公表する研究班を組織して、まずは電子処方箋、健診結果報告書について策定を行なっている。
FHIRのようにWebAPI等と親和性の高い技術を採用することで、モバイル端末等で患者や他の医療機関が診療情報にアクセスできるシステムを実現しやすくなり、社会全体の医療情報の質向上や情報アクセス到達に要する時間的制約の低減等が期待できる。本発表では、CDA規格からFHIR規格への移行について進捗を含めて報告する。