Japan Association for Medical Informatics

[2-D-3-03] 現場ニーズに基づいた汎用Bluetoothリストデバイスによる患者バイタル・位置測位システムの構築とその実証

*Tamaki Ogura1, Masaharu Matsuda1, Tetsuo Endo1, Tsukasa Agata2, Yutaka Handa2, Shintaro Oyama3, Toru Ishijima1, Kentaro Kanehira1, Kazuki Fujitani4, Daisuke Ohara5, Hitoshi Hirata3 (1. 大成建設株式会社, 2. 新城市民病院, 3. 名古屋大学医学部附属病院, 4. シスコシステムズ合同会社, 5. 株式会社NTTドコモ)

Medical safety, Wearable devices, Bluetooth, Internet of Things, Data platform


1. 背景と目的
 高齢化や人員不足が深刻化し、医療現場における医療安全と業務効率向上が急務であるが、保険収入を見込めない設備投資は困難である。自助努力では対応困難な現場ニーズに入院患者の無断離院や個室エリアでの異常の早期発見があり、インシデントリスクを低減する施策を現実的な投資で行うことが望まれてきた。我々は汎用IoTデバイスを利用し入院患者の位置情報や身体状況を可視化、離院や心拍異常・転倒を検知するシステムを開発し新城市民病院において実証実験を行ったので報告する。

2. 実験システム
 実験用のBluetoothゲートウェイ(以下、BLE GW)およびWi-Fiアクセスポイントは、5階病棟(59床)と1階出入口等に設置。患者に位置情報とバイタルが測定可能な汎用Bluetoothリストデバイスを装着してもらい、測定データをクラウドに蓄積した。データはWEBアプリで閲覧でき、離院の兆候や心拍の異常などを検知した際にはビジネスチャットを介して病院職員に通知する方法とした。

3. 結果
 約3か月の期間で、参加患者は76名となった。蓄積データから患者の動線軌跡、経時的データとして心拍や歩数の変化を確認することができ、リハビリによる歩数の向上なども確認できた。一方、電波に起因する課題も明確となった。EVシャフト、病室の窓などから電波が上下階、屋外にも到達することがあり、位置情報に誤差が確認された。

4. まとめ
 離院を未然に検知し、バイタルから患者の状態を可視化するシステムを開発し、新城市民病院で評価した。機器を市販品で構成し、転倒検知できる高機能タイプと安価に手に入る二種類の汎用デバイスを使用し、BLEGWはラズパイで構築した。安価な汎用品でも心拍、歩数の変化、動線軌跡などが可視化できた。一方、電波状況により、位置情報の信頼性が課題となった。今後は、測位精度と信頼性の向上を目指していく予定である。