Japan Association for Medical Informatics

[2-E-1-02] 集中治療室入室中の医療資源の投入量が入室期間及び入院期間に及ぼす影響評価

*Hirofumi Kawasaki1,2, Kazue Fudamoto2, Mutsumi Yamamoto2, Takuma Yoshida3, Takashi Iwaanaguchi1, Yumiko Uto1 (1. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科医療システム情報学 , 2. 鹿児島市立病院 看護部, 3. 鹿児島大学大学院理工学研究科数理情報科学)

DPC/PDPS, Intensive Care Unit, Medical resources, Medical expenses, SOFA


【背景】
 集中治療室に入室する患者は、医師が集中治療室に入室する必要があると認めた患者が対象となると共に、診療報酬で定められている特定集中治療室管理料の10項目のいずれかの状態に当てはまる患者が入室対象となる。また、それに加えて、重症度、医療・看護必要度において一定の基準を満たす患者割合やSOFAスコアの測定が施設要件として定められている。
 DPC/PDPSの導入によって平均在院日数の短縮化が図られているが、特定集中治療室管理料においては、DPCコードに沿った適切な集中治療室入室期間は定められておらず、入室患者の客観的な重症度や患者アウトカムを考慮した仕組みであるとは言えない。
 私達が行った先行研究において、早期の重症度の改善が集中治療室早期退室に影響していることが明らかになり、集中治療室入室期間の短縮が入院期間の短縮にも影響していることが示唆された。
【目的】
 集中治療室入室後2日間の医療資源の投入量によって、集中治療室入室期間と入院期間にどのような関係性があるのか明らかにする。
【方法】
 集中治療室に入室した救急患者を対象とし、入室中に出来高で換算した診療点数を医療資源の投入量として定義した。また、DPCの機能評価係数Ⅱを構成する救急医療指数の定義に基づき、集中治療室入室後早期の医療資源の投入として、入室後2日間を評価の対象とした。医療資源の投入量と集中治療室入室期間及び入院期間との関係を分析した。
【結果及び考察】
 集中治療室入室後早期の医療資源の投入量が多ければ、集中治療室入室期間、入院期間が短縮する傾向にあることが示唆された。今回の研究では、主に薬剤や処置、検査等の医療行為を中心に分析を行った。集中治療室入室期間や入院期間の短縮に影響を及ぼす要因は、他にも多職種連携を含めたマンパワーの投入状態等さらに分析を重ねていく必要がある。