Japan Association for Medical Informatics

[2-F-1] クリニカルシークエンスデータの標準化

*Soichi Ogishima1, Takeshi Imai2, Teruhiko Yoshida3, Osamu Ohara4, Masayoshi Tsutsumi5, Koh Furuta6, Hideto Nakagome7, Kunihiro Nishimura8 (1. 東北大学未来型医療創成センター, 2. 東京大学大学院医学系研究科, 3. 国立がん研究センター 中央病院 遺伝子診療部門, 4. かずさDNA研究所, 5. 日本衛生検査所協会, 6. 日本臨床検査医学会, 7. 富士通株式会社, 8. 株式会社テンクー)

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国内外で、個人のゲノム情報をはじめとした各種ゲノム・オミックス検査情報をもとに、その人の体質や病状に適した医療を行ういわゆるゲノム医療が進展している。エビデンスの蓄積が進んでいるがんを中心にゲノム医療の体制構築が進み、医療の枠組みでシークエンスされるゲノム情報は、2030年には3億人、がんについて2億5千万人に達すると予想されている。この膨大なゲノム情報を処理し、知識ベースにより解釈してレポートを作成し、一方で、蓄積したゲノム情報を活用して、ゲノム医療の研究基盤として利用してゆく必要がある。こうしたなか、クリニカルシークエンスのデータの標準化について、保健医療情報の国際標準化の技術委員会であるISO/TC215に、新たにGenomics Informaticsという新しいサブコミッティーSC1が発足した。欧米各国、韓国、中国をはじめとした国々から、HL7、GA4GHと連携して、さまざまな提案が活発になされている状況である。HL7ではClinical Genomicsのワーキンググループにおいて、実装ガイドの策定が進んでいる。こうした国際的な情勢を受けて、産官学のステークホルダーが参画し、日本においてもISO/TC215/SC1の国内対策委員会が設立された。わが国でも、医療情報としてのシークエンスデータをいかに標準化し、ゲノム社会のインフラの基盤を構築していくかは、産官学の連携のなかで取り組まなければならない喫緊の課題である。がんゲノム医療はすでに保険適用されており、この流れが加速してゆくであろう。本セッションでは、産官学のステークホルダーに登壇いただき、また、本学会で関係する方々にご参集いただき、SC1で進展している国際標準化の規格の状況を共有し、この課題にいかに取り組むべきかワークショップ形式で議論したい。