Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-04] 治験、臨床研究のグローバル化と相互運用性の向上を目指したソリューション開発

*Yoshihiro Aoyagi1 (1. 国立がん研究センター 東病院)

Real World Data, Clinical Trial, CDISC, OMOP, Interoperability


治験・臨床研究はグローバル化を余儀ななくされている。治験はICHにおける国際的ガイドラインを遵守したうえで実施されるものであるが、E17の通り医薬品開発のグローバル化の進展と共に、国際共同治験で得られたデータが製造販売承認を得る主たる根拠として各地域及び各国の規制当局に受け入れられることが重要となっている。また、E6(R3)の議論ではリアルワールドデータ(RWD)研究を対象にした検討が行われる可能性があることや、RWDをより効果的に活用するための薬剤疫学解析の科学的・技術的要件に係る国際調和の戦略的アプローチに関するリフレクションペーパーの合意が、厚労省/PMDAからの提案により行われている。治験・臨床研究のグローバル化は医療機関における情報システムにも波及している。最近は原資料が病院情報システムで保管されているため、病院情報システムの信頼性担保に対する説明責任はより重要となっているが、確認する際のツールは治験に特有でありかつグローバルのものが多い。また、製薬企業等とコラボレーションを行う際には企業の基準や文化などを理解した上でソリューション開発を行う必要がある。上記のような中、国立がん研究センター東病院は様々な臨床研究を支援するためのシステムを開発・導入ており、最近では病院情報システムのデータを治験に活用するための開発も行っている。本発表では当院におけるグローバル化を見据えた治験・臨床研究関連の体制整備に関して主にシステム開発を中心に報告する。また、RWDを活用するために現在取り組んでいるプロジェクトの紹介を行うとともにグローバル標準となっているCDISC標準やOHDSI-OMOP対応を目的としたシステム開発に関して発表を行う。最後にこれまで開発を行ってきた経験から主に治験・臨床研究における相互運用性の向上を目指す際に考慮すべき事項に関して私見を考察する。