Japan Association for Medical Informatics

[2-G-1-03] 自身の健康状態を短時間で把握することを目的とした健康診断Personal Health Recordサービスの構築とその利用結果

*Toshihiro Takeda1, Yoshie Shimai1, Ryohei Yamamoto2, Masahiko Shimizu3, Shrou Manabe1, Masayoshi Mishima3, keiko Takihara2, Yasushi Matsumura1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学, 2. 大阪大学キャンパスライフ健康支援センター, 3. ダイハツ工業株式会社保健センター)

Personal Health Record, Health Checkup, Questionnaire survey


【背景】日本では、法制度上、生涯何らかの健康診断(健診)を受けることができる。個人が、健診データをスマートフォンでアクセスできるPersonal Health Record (PHR)サービスは、広く受け入られる可能性が高く、自らの健康管理の意識を高め、予防行動、受療行動を効果的に誘導できる可能性がある。
【目的】自身の健康状態を短時間で把握することを目的に構築した健診PHRを実利用した健診受診者にアンケート調査すること。
【方法】自身の健康状態を一目で把握できる健康状態一覧画面をデザイン(シェーマデザイン、時系列を含めたデータの提示方法)し、実装した。次に、厚生労働省が提供する標準的な健診・保健指導 プログラム(平成 30 年度版)の「健診結果とその他必要な情報の提供(フィードバック) 文例集」を利用し、健診結果のフィードバックコメントを表示する仕組みを実装した。本アプリに研究同意を得た大阪大学およびダイハツ工業株式会社の職員の健診結果を登録し、実利用した感想をアンケート調査行った。
【結果と考察】91名の健診結果を登録し、67名からアンケート回答を得た。アンケート調査では、シェーマ、フィードバックコメントともに適切であるとの意見が大多数を占めた。健康状態一覧画面では、96%が「現在の健康状態」の把握ができ、93%が「過去の健康状態との比較」が把握できたと回答した。また、88%が「自身の健康への関心」が深まり、83%が、「健康改善に向けた取り組み」が必要と感じる回答であり、今後の行動変容に向かう可能性が示唆された。94%が本PHRサービスを継続利用したいと回答したが、対価を支払うと回答したのは21%にとどまった。
【結語】自身の健康状態とその問題点を健康状態一覧画面と解釈コメントで提示するPHRサービスが予防行動、受療行動を効果的に誘導できる可能性が示唆された。