[2-G-3-03] 医用画像情報専門技師 これまでの経験と今後の役割 メーカ勤務者の立場から
PACS, DICOM, AI
どちらも医療情報技師の上級資格である上級医療情報技師と医用画像情報専門技師を比べた時に、後者に特徴的なのは、DICOM規格に対する深い造詣を持っていることである。DICOM規格は画像データだけでなく、画像に関わるワークフロー全般において、マルチベンダー環境での相互運用性の担保に貢献してきた。メーカに勤務する医用画像情報専門技師としては、こうしたDICOMの知識をベースに、IHEの各種プロファイルにも精通することで、グローバルにスタンダードな運用や技術を踏まえつつ、自社のソリューションの特長を組み合わせたシステム提案が可能となる。自社の独自仕様をユーザに押し付けるのではなく、ユーザのデータがどう管理され、どう活用されるべきか、国際的なスタンダードを踏まえ相互運用性を確保するシステムを志向することがユーザとの相互理解を深めることに良い影響を与えるのではないだろうか。なお、DICOMは伝統的なシステムであるPACSやRISのみならず、今後のAI(人工知能)活用にも欠かせない知識であるため、この資格を有する者は、AIなどの最新技術の適用を含め、画像情報の管理、運用および活用のために、今後益々その知識を活かすことが期待されるのではないかと考えている。