[2-G-3-04] 医療情報技師と医用画像情報専門技師
Healthcare Information Technologist, Medical Imaging Information Specialist, Education
医療情報技師は2003年に認定試験がスタートし、これまでに延べ2万3千人が認定されている。医療情報技師は医学医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系について到達目標が策定されているが、今年度に到達目標が改訂され、医療情報のデータ解析という新たなトピックが盛り込まれた。この改訂は医療情報技師が医療情報のデータ解析基盤作りに携わるための基本知識や技能を習得することを目指したものであり、今後の教科書や試験問題に反映される予定である。また、上級医療情報技師は、医用画像情報技師と同様に医療情報技師の知識や技能を基礎とした資格である。上級医療情報技師は2007年から試験がスタートしたのち、2017年度に定義と到達目標が改訂され、試験制度も一部改訂された。この改訂は、医療情報システムの導入が中心であった時代から、経営戦略・情報戦略に基づいた医療分野の情報化や蓄積された情報の分析・活用を中心とする時代への変化に対応することを目指したものである。
医用画像情報に関する教育について、診療放射線技師養成校での医用画像情報学の教育内容は、アナログ画像、デジタル画像、画像処理、画像評価、そして医療情報から構成されている。このうち、医療情報に関して国家試験で多く出題される問題には、診療録の電子保存や標準化、セキュリティ、画像表示モニタの品質管理などがあり、最新の出題基準には検像システムなども盛り込まれている。
医用画像情報専門技師は、医用画像領域での専門家を認定する制度として、2010年にスタートし、これまで多くの資格取得者を輩出してきた。医療分野の情報化や蓄積された情報の分析・活用を中心とする時代が到来するなかにおいて、社会から求められる医用画像情報専門技師の人材像をあらためて考え直し、知識や技能を臨床現場の最前線で活かしていくための取り組みが今日からの一歩として重要であると考える。