Japan Association for Medical Informatics

[2-G-3-05] 医用画像情報専門技師の現状について

*Minoru Kawamata1 (1. 大阪国際がんセンター)

Medical Imaging, Medical image information specialist, Current


2010年4月に日本医療情報学会と日本放射線技術学会の共同出資により日本医用画像情報専門技師共同認定育成機構が設立され10年が経過しました.本機構は関連学会等との連携により医用画像情報に関わる高度な専門技術者の育成および認定を行い、わが国の医用画像情報技術を確保するとともに、 医用画像情報領域に関する最新の医療情報技術に対応し安全を担保することによって、国民の福祉と社会の発展に寄与してきました.これまで10回の認定試験を行い 251名(資格保有者:223名)の方が認定を受けています.認定者は臨床現場へ勤務されている方々(診療放射線技師・薬剤師・事務職などの職種)が大半を占めますが,ベンダーや教育機関などに勤務される方も取得されており,多方面で活躍されています.
 医療分野における電子化は2000年頃より取り組まれてきましたが,画像領域では2008年頃より認定者を中心に各医療機関において電子化の推進が行われてきました.そのような中で多くの病院では医用画像情報専門技師が中心となり院内の情報システムの中でもとりわけデータ量が大きく導入コストも高い画像系情報システムを横断的かつ効率的な視点で導入してきました.また,適正な運用管理にはおいても本専門技師は大きな役割を果たすことができました.その結果,画像系情報システムの発展に寄与するだけでなく,臨床現場へ様々な形で貢献することができました.今後も同じ取り組みを続けていくためには様々な環境の変化に柔軟に対応していく必要があります.
 本講演では専門技師の「今日からの一歩のため」に現状の問題点や課題などについて整理したいと考えています.医学領域における学術組織としての役割は臨床・教育・研究の3本柱と一般的に考えられていますが,研究や教育といった側面にも触れながら,聴衆の皆さんと議論したいと考えています.