[2-G-3-06] 医用画像情報専門技師の重要性を図る
Healthcare Information technologist, Medical imaging and examination technologist, CIO
日本医用画像情報専門技師共同認定育成機構では、2011年より医用画像情報専門技師の認定を開始し、すでに数百人の技師を認定している。
発足時の理念として、当時医用画像検査がますますデジタル化し、院内、また院外とも情報交換がされる状況にあり、検査そのものの知識、技術のみならず、データ形式(画像およびオーダー、報告書)、部門情報システム、画像情報システム、院内および地域ネットワーク、またそのセキュリティ、危機管理などの知識と技術が技師に求められるようになっていた。
このニーズにこたえ、日本放射線技術学会と日本医療情報学会とは、こういった最新の知識、技術を広め、それにより職域を広げることを目指し、医用画像検査の専門技師であるとともに、医療情報技師をも受験資格とした認定制度を作り、その必要とされる知識、技術を試験、講演会などで示すこととなった。この間、両学会の専門家の諸兄、また問題作成や講習会での日本画像医療システム工業会の諸兄には、さまざまな形でお世話になった。深く御礼申し上げる。
さて、10年経って、検査情報のシステム化は予想以上ものとなっている。先行した放射線画像システムの堅牢性を頼り、そのほかの医用画像(内視鏡、病理、眼科、、)も、PACSで扱われるようになり、もういまや他院から来た検査画像が読めない、ということはほとんど聞かない(紹介状は検体検査などはいまだに紙出力のことが多い)。つまり、病院において画像情報システムはオーダ・電子カルテ、会計システムを除けば、自動調剤、自動化検査、ベッドサイド系とともに最先端のシステムとなっているのである。
大病院なら医療情報担当もいるであろう。しかし小病院ではそれも必ずしもおらず、オーダもなく、院外処方箋、外注検査となってもCT, CRはあり、PACSはあることが多い。ということは、医用画像検査技師は、そういう病院では。情報技術を一番わかっている人、なのである。そういう人は、病院長から頼られるであろう。
今後はこの認定者も、大病院の最先端技師だけでなく、心ある中小の病院の放射線技師にも広がり、キャリアアップに、そしてセカンドキャリア支援にと、広く深く浸透することを謀っている。