[2-H-1-03] 最適な紹介・逆紹介のための医療機関候補提示システムの構築
medical institution search system, local health care, mediacal care supporting system
【背景】
我が国の医療システムは、地域医療構想の制度のもと求められる医療サービスに応じて機能分化と連携が進んでおり、患者は自身の病態に応じて医療機関を移動することが前提となる。また、関係機関が連携し、多職種協働による在宅医療・介護を一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構築を推進している。京都民医連中央病院(以下、本院)においても、これらの制度のもと、基本的に診療所等では治療が困難な患者が紹介され、治療後は診療所等に患者の逆紹介を行っている。また、開放型病院として医療機関相互の継続した医療サービスを提供している。
しかし、紹介・逆紹介の医療機関の決定には、患者の自宅からの通院距離や、これまでの連携状況、逆紹介先の専門分野など多くの要素があり、これらの情報を総合的に勘案した上で決定する必要があるが、これらの情報を総合的に扱えるシステムは存在しない。
【目的】
本研究では、患者の住所に基づく経路情報や診療所等の位置情報、本院との相互関連情報を一元的に提示する医療機関候補提示システムを構築する。
【方法】
これまでの紹介・逆紹介医療機関及び近畿厚生局が公開している医療機関一覧のデータベース化を行った。その上で患者の住所、診療科及び専門性を入力することで、自宅からの経路距離を考慮した医療機関の候補を提示するウェブシステムを構築した。具体的には、Google Map上に候補となる医療機関の位置情報とし、関連情報としてこれまでの紹介・逆紹介件数及び開放型病院の登録状況を示している。また、経路距離はGoogle Maps PlatformのDistance Matrix APIを用いている。
【結果】
経路距離及び医療機関の関連情報を一元的に提供できる医療機関候補の提示システムを構築することで、病院スタッフおよび患者に利便性の高い医療機関を逆紹介することが可能となった。