一般社団法人 日本医療情報学会

[2-H-3-01] ARCSモデルを活用した下肢筋力低下予防のためのAR型リフティングトレーニング方法の提案

*丸井 一輝1、真嶋 由貴惠1、桝田 聖子1 (1. 大阪府立大学)

lower limb, aging prevention, AR, behavior change, Instructional design


背景:全身の筋肉の7割が集中する下肢は,運動習慣がないと若くても老化が始まり,その筋力量低下は高齢者の2倍にもなる.また,ウォーキングなどの軽い運動では維持が難しく,さらに新型コロナウィルスの影響から自宅待機による活動制限が加わり,ますます下肢筋力の低下を招きやすくなっている.そのため,下肢筋力を維持できるトレーニングを継続して実施することが効果的である.

目的:本研究では,自宅でボールなしでも簡単に継続でき,下肢筋力,体幹,バランス力の向上と,血流改善が期待できるAR型リフティングトレーニング方法を開発することを目的とする.そのために,今回はパイロットスタディとして,評価指標とリフティングトレーニング方法について検討する.

方法:大学生を対象に運動習慣の有無とロコモ度テスト,閉眼片足立ちとの関連を調査し,計測4日後の行動変容の有無を確認する.インタビューによる定性的評価からARの効果的活用について提案する.

結果・考察:大学生6名(運動習慣あり群3名,なし群3名)を対象に,ロコモ度テスト(立ち上がりテストと2ステップテスト),閉眼片足立ちの調査を行った.その結果,運動習慣の有無により立ち上がりテストで明らかな差がみられた.4日後の再テスト結果は変わらず,運動習慣なし群の行動変容は見られなかった.このことから,運動習慣なし群に対する下肢筋力を維持の意欲を高めるARCSモデルを活用したリフティングのトレーニングプログラムを考案した.A(注意喚起):ロコモ度等の測定,R(関連性): ボディイメージの変化,C(自信):リフティングの目標設定,S(満足):達成度評価である.リフティングはAR型とし,ボールなしでも継続可能にする.まずは比較のために実際のボールを使用したトレーニングを3週間行い,ロコモ度と閉眼片足立ち,筋肉および太もも周囲の増加量を用いて効果を検証した.