Japan Association for Medical Informatics

[2-H-3-03] 車いす段差乗り上げ時の介助操作に関する教育システムの提案

*Kotone Sakiyama1, Yukie Majima2, Seiko Masuda2 (1. 大阪府立大学 現代システム科学域, 2. 大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)

Wheelchair assistance, Passing a step, Learning support system, Evaluation index


【背景】
近年の高齢化に伴う要介助者数の増加により, 今後車いす移動介助を行える介助者の必要性が高まっている. また,介助者の車いす操作によっては要介助者の乗り心地低下・介助者の身体的負担感の増加につながることが分かっている. さらに,看護・介護従事者のみならず要介助者の家族が用いる使用頻度の高い介助技術であるにもかかわらず,車いす移動介助技術の非熟練者に対する, 要介助者・介助者に負担の少ない操作の教育システムに関する研究は行われていない.
【目的】
本研究では, 介助非熟練者が適切な車いす操作技術を獲得するための教育システム開発を目的とする. 本論文では, 特に安全性・快適性の高さが求められる車いすの段差乗り上げ操作技術の習得に向けて,段差乗り上げ時の介助者の車いす操作技術を評価する指標を検討・検証し, その結果をもとにした教育システムについて考察を行う.
【方法】
[評価指標の検証]
介助者の車いす操作技術の評価指標として, ①要介助者の乗り心地に影響を及ぼす車いす操作時の振動レベルと, ②介助者の身体的負担感に影響を及ぼす前輪を持ち上げた際の車いすの傾きの2項目を設定し, 適切性を検証する.
[教育システムの提案]
本教育システムでは操作者の車いす操作技術レベルを評価し, レベルに応じたフィードバックを与えることで学習につなげる. これにより非熟練者でも自己学習ができ, 負担の少ない操作方法を身につけることができる.
【結果・考察】
上記2項目の評価指標が適切であるかを, 水平・加速度センサを用いて検証した. 介助熟練者と非熟練者で比較したところ, 熟練度による操作技術の差が見られ評価指標として設定できることが示唆された. 以上から本教育システムの操作技術レベル評価は2指標を基に行う. また一般的に水平・加速度センサはスマートフォンに搭載されており, 学習のコストも低いことからスマートフォンを用いたWEBベースで開発を行う.