一般社団法人 日本医療情報学会

[3-A-1-01] ガバナンスセンターによる標準コード運用管理

*山下 貴範1 (1. 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター)

MID-NET, Governance center, Real-time validation tool, Standardized code


MID-NETのような分散する複数施設データベースの不定期多数の新規の標準コード付与や置換を中心としたデータ品質管理を精緻に継続するためには複数施設データベースへのガバナンスが必要である。
AMED康東天班では、2017年度末に九州大学病院内にガバナンスセンターを発足し、MID-NET協力医療機関を対象に診療マスタの標準コード付与作業における顕在化した課題抽出やデータマッピング表などの運用上の課題等を整理してきた。
ガバナンスセンターでは、AMED中島直樹班で開発されたマスタの変化をリアルタイムに抽出するリアルタイムバリデーションツールを用いて運用している。
本ツールは、MID-NETマスタの11種類全て(診療科、病名、病名転帰、薬剤、投与経路、用法、薬剤単位、検体検査、薬物血中検査、細菌結果、持参薬)を対象とした。前回更新分と今回更新の差分を区別し、それらの差分のローカルコード、ローカル名称、標準コード、標準名称、差分内容(新規、更新、削除)が抽出される。現在、MID-NET協力医療機関10施設のうち、現在8施設の導入が完了している。
それらの施設の各マスタ変化の情報が週次で抽出され、ガバナンスセンターで収集し精査している。
精査内容としては、医薬品についてHOT9の最後の2桁が振れないケースが生じていることが分かった。検体検査のJLAC10では、未付与または材料や試薬に該当するコードを付番していないものがみられた。また可視化システムも構築し、標準コード付与率などの傾向を把握できるようになった。
そして、最適な標準コード情報を各機関へフィードバックするために「標準コード付与が正しい、正しくない、記載がない、MID-NET範囲外、判断不可」に分類し、医薬品と検体検査のガバナンス結果について、各施設への転送を2020年8月から開始した。