一般社団法人 日本医療情報学会

[3-A-1-02] 医療情報データベースを用いた研究および病院薬剤部のMID-NETへの関わり

*堀 雄史1 (1. 浜松医科大学医学部附属病院 薬剤部・医療安全管理室)

pharmacoepidemiology, hospital database, adverse drug reaction


ヒトにおける医薬品の安全性を評価する方法はレトロスペクティブな薬剤疫学的解析が一般的になりつつある。診療情報データベース(以下 DB)を用いた薬剤疫学的解析は欧米・アジアなど諸外国において医薬品安全性評価の一つの方法として大きく確立されている。本邦においても研究目的のレセプト情報等の提供のほか、病院の診療情報からなるDBであるMID-NETが構築された。今回はMID-NETと同様の診療情報DBであり、浜松医科大学医学部附属病院(以下 当院)に導入されている臨床情報検索システムD*D(以下D*D)を活用した実例を紹介する。
当院では1996年からD*Dが導入され、本院を受診した約52万人の患者の診断・薬剤処方・検査結果などのデータが蓄積されている。D*Dには検索的・集計システムとして以下のような特徴がある。1.部門横断的なクロス集計が可能:複数の条件を組み合わせた検索、集計が可能である。条件選択は患者基本・内服および注射・検査結果・病名・汎用情報(DPCおよび化学療法レジメン)からなる。2.時間軸の設定が可能:条件の前後関係を指定した検索が可能である。また3.診療録テキストや画像診断結果等の情報ともカルテIDでリンク可能である。
病院の診療情報DBの限界として、患者集団の背景はその病院の受診傾向を反映する。また医薬品の処方とアウトカムとする検査・診断を別の医療機関において実施された症例は検出できない。とはいえこれで得られた結果はいわゆる参考値としての価値を持つ。例えば会場でお示しするような発現頻度0.1%のアウトカムについて、対照群との有意比較をプロスペクティブに検討するにはどれぐらいの労力が必要だろうか。診療情報DBはそれが持つ特性を理解した上で医薬品の有効性・安全性を検証するために有用なツールと言える。