Japan Association for Medical Informatics

[3-A-2-02] あじさいネットへの機能追加によるオンライン診療普及に向けた取組み

*Takehiro Matsumoto1,2,3, Naota Taura1,3, Tetsuya Usui1,5, Takuya Kinoshita1,2, Tetsuji Otomo1, Mayumi Nishiguchi1,4, Hodumi Horita1,4, Kaori Nagatomo1, Mayumi Ito1, Kazuhiko Nakao1 (1. 長崎大学病院 医療情報部, 2. 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療情報学, 3. 長崎大学病院 メディカルサポートセンター, 4. 長崎大学病院 看護部, 5. 長崎大学病院 検査部)

Telemedicine, Online medicine, health information exchange, Regional Medical Information Network, COVID-19


【はじめに】新型コロナ感染により、世界中で外出制限が実施され、感染リスク対策としてオンライン診療が普及した。本邦でも感染集中地域中心に広がりつつある。全国最大規模のEHRである長崎県のあじさいネットでは、オンライン診療普及に向け、オンライン診療ソフト「YaDoc」をあじさいネット上で利用できる取組みを実施したので、概要と意義について報告する。
【システム構成】あじさいネットはNTTデータ中国が提供するクラウド型のポータルサイトを利用している。本ポータルサイトとの接続は、情報提供病院がIP-VPN、他の閲覧施設はIPsec+IKEのVPNのみで接続している。本ポータルサイトにログインすることで、ID-Link、Human Bridgeをはじめ10ものサービスが利用できるが、「YaDoc」のデータセンターとIP-VPN接続することで本ポータルサイトからの利用できるよう構築した。
【運用方法】あじさいネット参加施設は診察室の端末であじさいネットを利用しているため、その端末でWeb起動により「YaDoc」が利用できる。情報提供病院は電子カルテ端末からあじさいネットを利用できるため、電子カルテ端末より「YaDoc」が利用できる。
【考察】感染リスクに対し患者は受診を控えたいが、容態次第で受診せざるを得ない。医療機関は院内感染を恐れるも、受診者数が減少すれば経営は困難となる。これに対し、オンライン診療は数少ない解決法である。利用にはインターネットに接続された端末が必要であるが、本取組みは端末追加が不要のため、コストを抑制が可能な上、多数の医療機関が参加するEHRとの契約により通常価格よりも安価な価格でサービス提供が可能となった。コロナの影響はもちろん、大規模感染症は定期的に起こりうる以上、オンライン診療はさらに普及すべきものと思われるが、EHRでの実装が普及に寄与することを期待している。