Japan Association for Medical Informatics

[3-A-2-04] ウィズコロナ時代におけるオンライン診療 ~泌尿器科単科クリニックでの経験~

*Kiichiro Kodaira1 (1. こだいら泌尿器科)

Telemedicine, Online, Urology


新型コロナウイルスの影響により、令和2年4月10日に時限措置でオンラインでの保険診療が認可された。ウィズコロナが叫ばれる今、当院でのオンライン診療の現状を報告し、オンライン診療の展望について考察する。
当院では令和2年4月12日から保険診療でのオンライン診療を開始、一日約2枠の予約枠を開放している。仕様としては、A社が提供しているオンライン診療のサービスを利用し、患者側はスマートフォン上で、医療側はコンピューターのブラウザー上で、動画を用いて診察した。6月30日までにオンライン診療を受診された方は54名、そのうち初診料(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱)を算定した46名について検討を行った。

患者背景については、平均年齢は38.2歳(0~80歳)、性別は男性が24名(52.2%)、女性が22名であった。居住地域は、当院の診療圏である世田谷区・目黒区で19名(41.3%)、それ以外の都内からは14名、都外からは13名であった。疾患別では、急性膀胱炎が最も多く18例(39.1%)、次いで尿管結石が4例であった。受診の契機になった疾患の既往歴がある方は27例(58.7%)と半数を超えた。投薬が必要と判断した症例は34例(73.9%)、そのうち院外処方が29例、院内処方が5例であった。

感染へ恐怖で医療機関へ受診ができない方が続出したため、4月後半~5月前半には予約率が上昇した。アプリケーションのインストールや個人情報の入力ができる年代の利用率が高く、オンライン診療は通信状態以外には大きなトラブルは認めなかった。問題点としては、処方薬が必要になった際のFAXや郵送の手間などが挙げられたが、オンライン診療は患者側の利便性が非常に高いことは明らかである。今後オンライン診療は、一般的に認知され始めて、広く利用されるのではないかと考えられる。