一般社団法人 日本医療情報学会

[3-A-2-05] COVID-19対策:閉鎖系LAN環境で稼働するWEB会議システムの構築運用

*叶谷 信治雄1 (1. 国立病院機構西新潟中央病院)

Web Meeting System, closed network, Remote Communication


1.はじめに
 COVID-19感染症患者受け入れ対応の一つとして患者との接触機会を極力減らす事が求められる。その手段の一つとしてWeb会議システムを使用する事となり、患者情報を扱う為、閉鎖系LANで運用できるシステムを導入する事となった。

2.方法
 Jitsi Meetを導入した。仮想プラットフォーム上に構築し、電子カルテ系LANで稼働させた。

2.1.導入
 サーバリソースに4CPU、メモリ4Gbyte、ディスク40Gbyteを割り当て、ubuntu18.04.3を採用した。

2.2.構築
2.2.1.サーバ
 動作確認までインターネット環境で構築を行い、その後、閉鎖系LANに移設した。
サーバ証明書は本システムの要であり、本件ではiPadを利用するために、サーバ証明書の有効期間を398日としている。

2.2.2.クライアント設定
 CA証明書インストール後、アプリケーション、もしくは適合したブラウザのインストールを実施した。

3.結果
 機能面では一部制限はあるもののインターネット上の他サービスと比較しても遜色はない。
性能面では端末のCPUパワーがやや必要な印象だがCore iシリーズ搭載PC、iPadなどで全く問題無く利用できた。

4.考察
 患者情報を取り扱う事を考慮すると閉鎖系LANを使うのは必須条件であり、多少のLiunxの知識があれば、簡単に構築でき、外注依頼しても比較的安価に構築できる利点は大きい。操作も直感的である事から普及は容易であり、今回の構築目的以外の用途にも広範に利用できる事が期待できる。
当システムで面会ををした家族からはSFの様で楽しかったとの感想を戴けている。

5. 結語
 情報漏洩リスクが小さい安心感は大きく、医療の現場で利用する会議システムとしてはベストに近いのでは無いかと思う。COVID-19収束後も、感染リスク回避、移動時間軽減の為などに継続的に利用されていくことになると思われる。