Japan Association for Medical Informatics

[3-A-3-02] 春季学術大会で行ったリアルタイムWeb配信とそのインパクトについての考察

*Hidehumi Shitou1, Toshiaki Nakano2, Tetsuya Narikiyo3, Masahiro Kobayashi4, Kuriko Kudo5, Sunao Watanabe6 (1. 東京医科大学 総合情報部, 2. 関西医科大学 大学情報センター, 3. 広島国際大学 健康科学部 医療経営学科, 4. 株式会社ケイ・メッド, 5. 九州大学病院 アジア遠隔医療開発センター, 6. 医療情報システム開発センター)

COVID-19, Teleconferencing, Academic Conferences


1. はじめに
 去る4月7日、国内では「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が出された。そうした状況から第24回春季学術大会はつくばでの開催を取りやめ、全面リアルタイムでのWeb開催とすることが決定した。大会2ヶ月前の事である。今回、当学会としては初めてとなるリアルタイムWeb配信による開催の準備、大会当日のワークフローについて検証しながら報告する。今回、これまでの大会とは異なり、最初の計画段階から「(当日の運営スタッフである)実行委員は全員が当日参加できるかわからない」といった不確定要素を考慮しながら運営準備を行わなければならなかった。一方、学会参加者は事前登録者が例年の2倍以上の2,345名であった。こうした経験から、リアルタイムWeb配信システムが今日の学術大会あたえたインパクトについて考察した。
2. 運営方法
 Web配信システムは「Zoom webinar(以下、ウェビナー)を使用した。世界的にWeb会議で利用されているzoomのセミナー用オプション機能である。1,000名を超える視聴者への配信は運営メンバーの誰もが経験がなく、細かな操作からシステム構築にあたっては九州大学病院アジア遠隔医療開発センター(TEMDEC)の支援を受けながらの大会運営であった。まずはウェビナーの機能を確認しながらのシナリオ設計が行われたが、運営メンバー内でのコミュニケーションツールには、slack(Slack Technologies Inc.)を利用し情報共有を図った。Slackはグループチャット機能がメインのツールで、メンバー内の意思決定は全てSlackで行い、全体で集まったWeb会議は2ヶ月の期間でわずか2回だけであった。
3. 考察
 大会当日の運営が、スムーズであった点と参加者アンケート結果の満足度が高かった点から、このようなオンライン配信の学会運営は今後も大変有用であると思われる。一方でヴァーチャル会場の設計やリハーサル等の準備段階で考慮する点が多くあるのは当面の課題である。