一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-2-02] 医療と介護の情報連携システムの構築
〜地域包括ケア対応のシステム開発〜

*酒田 拓也1、竹下 晋司2、串間 宗夫1、荒木 早苗1、荒木 賢二1 (1. 宮崎大学医学部附属病院 病院IR部, 2. 宮崎市郡医師会病院)

Electronic medical record, Medical welfare cooperation, Business model process


【目的】2005年の介護保険法改正で「地域包括ケアシステム」という用語が初めて使われて以来、地域におけるサービスの一体的な提供を行うため、地域包括ケアシステムの構築が求められている。しかし、医療と福祉の連携については、円滑な情報連携が行われているとは言い難い状態である。我々は医療と介護の情報連携システムの構築として、都城市で医療と介護のサービスを展開するグループをモデルケースとして開発する。この開発における前段として、医療と福祉の日常の連携を洗い出し、整理することを目的とした。
【対象と方法】居宅支援事業所の経過記録を元に情報連携の流れを整理した。介護支援専門員が日常の業務の中で収集する情報の情報元を洗い出し、医療福祉連携を行う際に、どの事業所のシステムから情報を参照すべきかをまとめた。
【結果】調査の結果、10件の典型的な業務連携パターンを整理し、ビジネスモデルプロセスとしてまとめた。介護保険事業における連携では、介護支援専門員の下に集約される情報は重要であり、医療、福祉における情報収集の効率化、スムーズな共有化は、地域包括ケアシステムの構築において、必要不可欠なものだと考えられる。
【結語】今回の調査でまとめた業務連携パターンは、今後の電子カルテシステムを基盤とした、医療と福祉の情報連携システムの構築において、典型的なパターンとして組み込んでいく。しかし、現場では様々な情報が共有され、他の典型的パターンや例外的なやり取りも存在すると思われる。今後は、実際の介護現場における調査を行い、現場の実践知に基づく調査を行っていきたい。