一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-3-05] ICD-11 V章の意義と、ICD-11とICF連携の可能性

*小松 雅代1、小川 俊夫2、城島 哲子1、今村 知明1 (1. 奈良県立医科大学, 2. 摂南大学)

ICD-11, V-chapter, ICF, WHO


ICD-11に新たに追加されたV章生活機能評価は、WHO-DAS2.0 36-item version(WHO Disability Assessment Schedule2.0)、MDS(Model Disability Survey)と、ICFリハビリテーションセット(ICF Rehabilitation Set)、およびICF付録9 (ICF Annex 9:Suggested ICF Data requirements for ideal and minimal health information systems or surveys)から成る一般的生活機能領域(Generic functioning domains)の3つのベースツールに基づき構成されている。これらのツールはICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)に由来しており、ICD-11にICFの要素を含むV章が新規導入されたことは、疾患別の生活機能にも重点が置かれたと考えられる。
V章の活用の目的のひとつは、ICD-11によって分類された疾患や外傷(外的要因)により生じる生活機能について統計分析を行い、一般化するための評価と、数量化することと言える。そのため、各疾患の特性による生活機能がV章の生活機能コードで分類可能かどうかについて分析を実施した。また、ICD-11には、一部の疾患(主に第8章 神経系の疾患)には、生活に影響を与えるimpactが記述されており、これらのimpactとV章のコードとの整合性や関連性についても分析が必要である。
以上から、本報告ではV章の活用と普及を図るために、ICFの視点からICD-11のV章の構造について分析を行い、ICD-11とICFの相互利用と連携の可能性と期待される効果について論じる。