Japan Association for Medical Informatics

[3-B-4-03] 電子カルテ代行入力業務のタスク・シフティング推進のために

*Tomoko Yaguchi1,2 (1. 医療法人社団浅ノ川 金沢脳神経外科病院, 2. 特定非営利活動法人 日本医師事務作業補助研究会)

task shifting, electrical health record, medical office assistants


外来診療における電子カルテ代行入力業務に従事する医師事務作業補助者の割合は、検査指示が67.2%、内服薬処方が50.2%、診療録作成が45.4%、初診患者の予診記録が35.7%(再診患者は30.2%)であった(2019年4月・NPO法人日本医師事務作業補助研究会調べ)。このように「電子カルテの代行入力業務」を細分化すると、タスク・シフティングの進行度に大きな開きがあることがわかる。タスク・シフティングをさらに推進するために必要なことは、法解釈の整理と院内運用マニュアルの整備であると考える。
 2019年、厚生労働省は「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフティングに関するヒアリング」を行った。このヒアリングでは、現行法で実施可能かどうかは問わずに自由な意見を求められたため、医師の臨床系学会はじめ各団体からタスク・シフティングに関する多くの要望があがった。その中で、数団体から問診・予診業務を医師事務作業補助者にタスク・シフティングしたいという意見があった。厚生労働省では、このヒアリング等をもとに法改正を含む規則類の整備を行っているところである。厚生労働省が示した「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」の中に「初療時の予診」という項目がある。これは、医師、看護師、医師事務作業補助者で役割分担のあり方を話し合わなければならない業務である。
 医師事務作業補助者が行う「予診の記録」に関する一般的な業務は、患者が記載した問診票を電子カルテに入力することである。この時、患者に対面し記載内容の確認や質問を行う必要性が出てくることがある。このようなケースで役割分担を考える際には、「医師や看護師等の専門職が専門業務に専念できる環境作りを最優先する」という観点から、どのように業務分担するかを議論し、院内運用マニュアルを整備することが重要であると考える。