Japan Association for Medical Informatics

[3-C-1-03] メーカーによるGS1/RFIDのソースマーキング

*Makoto D Kawai1 (1. ジンマー・バイオメット)

RFID, Medical Device, GS1


高度管理医療機器、なかでも整形外科と循環器の治療に使用される製品は、患者様に合ったサイズや形の製品を使用する必要があり、また病院が集約されていない中で日本全国どこでも同じ質の医療を受けられるようにするため病院様に製品を置き利用してもらう「長期貸出」、手術日程に合わせて製品を病院に送付する「短期貸出」という煩雑な物流システムの上で現在の医療は成り立っている。
 物量の多い企業では2006よりRFID(電子タグ)を活用し自社庫内の作業効率化を図ったりしてきたが、2018年より複数の企業が検討を開始したこと、また人手不足や物流クライシスなどの問題が医療機器業界でも顕在化してきたことより、製品に貼付されているRFIDタグを特約店や病院でも共通して利活用できる環境を目指してRFIDタグの標準化に業界で取り組んだ。またRFIDタグに保存されているデータのみではメリットが限られるため、製品に関する情報やRFIDを使用することにより得られる流通情報をサプライチェーン全体で共有すると共に状況が即座に把握できる「医療機器流通情報プラットフォーム」の構築に国家戦略イノベーション創造ブログラム(SIP)を活用することにより取り組んでいる。
 これによりメーカーから病院までのトレーサビリティを確立できるだけでなく、製品確認業務の簡素化・精度向上し生産性が飛躍的に上がり、労働力不足や長時間労働による問題を最小限にすると共に医療機器の安定供給に寄与すると考える。今後院内で医療材料(製品ID)と患者・症例(症例ID)を繋げられると、更に症例項目を設定し情報を入力・出力できるようになると、国内で多数の患者の臨床データを集約・分析する仕組みが整備でき医療の質を向上することができると考える