Japan Association for Medical Informatics

[3-C-1-04] 病院内トレーサビリティの確立と標準データを利用するための仕掛けと施策

*Kengo Miyo1 (1. 国立国際医療研究センター 医療情報基盤センター)

GS1 Barcode, RF-ID, Standardization


モノを一貫したIDと紐づけて追跡することで、トレーサビリティは確保できる。これを実現するには、機械可読の識別IDがモノと不可分に表示・提示されていること、そしてその識別IDが具体的に何であるかを示すマスタが必要である。これまで、医療機器の領域では、必ずしも悉皆的にバーコードなどの識別IDが付与されていなかったこと、また仮に付与されていたとしても、その識別IDに対応する製品名などのマスタが十分整備されていなかったことから、院内で発行した独自のバーコードを病院が貼付し、活用するということが、行われてきた。しかし、薬機法改正を機運に、現在急速にGS1標準バーコードによるソースマーキングが行われるようになってきている。つまり、病院側でバーコードを貼付することなく、モノを識別可能なIDを活用できる状況が整ってきている。また、米国医療機器・IVD工業会(AMDD)加盟のメーカーを中心に、GS1標準規格に基づいたフォーマットのRFIDをメーカーが出荷時に貼付することも始めている。
国立国際医療研究センター(NCGM)では、これらソースマーキングされた識別IDを活用し、入荷情報、移動情報、使用情報、診療報酬請求を行う取り組みを進めている。これらを実現するために、医療材料マスタ管理の一元化、電子カルテ機能の改善、材料委員会での承認から始まる新規採用材料の登録フローの変更、預託機器管理の効率化のためのシステム開発などを行ってきた。これらの取り組みを紹介し、今後、医療材料に直接表示されているGS1標準バーコードや、GS1標準規格のRFIDを活用し、医療安全や診療報酬請求の効率化、医療材料管理の効率化への参考としていただきたい。