Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-04] 外来放射線治療におけるタブレット問診票の導入

*Shinya Sonobe1, Kazuya Takeda2, Erina Sasaki3, Naoki Nakamura3, Takuya Ueda1, Keiichi Jingu2, Masaharu Nakayama3 (1. 東北大学病院 AI Lab, 2. 東北大学病院 放射線治療科, 3. 東北大学病院 メディカルITセンター)

medical interview sheet, QR code, outpatient radiation therapy


外来放射線治療は土日祝日を除く毎日、6週間から8週間ほど行われる。これに伴い当院の放射線治療科外来では、連日100名以上の患者が治療のため来棟する。その一人一人に対して毎日、看護師による治療前の問診が行われている。これは治療に伴う有害事象を早期発見するための重要な業務であり、外来放射線治療加算の算定要件でもある。
しかし大部分の通院患者において、有害事象の出現は緩徐であり、大半の日は状態に変化を認めない。そしてその確認のために多大な労力が費やされているのが実情である。また、費やされる労力の大きさに反して、問診の質は必ずしも高くはない。これは、毎日の症状を詳細に医療従事者へ伝えることが患者にとって手間である、患者自身が症状の変化を自覚しておらず問診の内容次第では適切な情報収集が成されない、多忙な医療従事者に対し患者が遠慮して早期の症状を訴えない、情報の収集や記録に漏れがある、情報が構造化されていない、といった理由からである。
近年はスマートフォンなどを用いた問診システムが多く開発されているが、外来放射線治療で行われるような「連日の受診により繰り返し行われる問診」を前提とした問診システムは前例が無かった。
これに対して当院では、医療従事者の労力低減や構造化された漏れの無い情報収集を目的として、タブレット端末を用いた問診システムを開発した。タブレット端末は患者ないし家族が操作するが、この際に前回受診時の入力内容を一時的に参照できる仕組みとした。
本問診システムの実現には富士通の電子カルテシステム HOPE EGMAIN-GX に搭載されている eXChart 機能を用いた。また電子カルテシステムとタブレット端末の情報通信にQRコードを採用した。大掛かりなシステムを導入することなく利便性の高い問診システムを実現したという点が、本取り組みの特筆すべき点である。取り組みの実際と成果について紹介する。