Japan Association for Medical Informatics

[3-D-1-04] 新型コロナウイルス(COVID-19)に対応した全患者モニタリングツールの構築

*Miyuki Takagi1,2, Shinichiro Kubo1,2, Junko Tokutani1,3, Akiyo Nakamura1,3, Kei Kasahara3, Saho Kanno1,2, Mami Kita2,4, Mari Fukuyama1,2, Tomoko Hashiguchi1, Akihiro Nakao5,6, Satoko Tsuru5, Tetsuro Tamamoto2,7 (1. 奈良県立医科大学附属病院 看護部, 2. 奈良県立医科大学附属病院 医療情報部, 3. 奈良県立医科大学 感染管理室, 4. 奈良県立医科大学附属病院 経営企画課診療情報管理係, 5. 東京大学大学院工学系研究科 品質・医療社会システム工学寄付講座, 6. ドクターズモバイル株式会社, 7. 奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座)

COVID-19, Patient Condition Adaptive Path System, Nursing plan, Electronic medical record, Monitoring


【目的】新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の流行に伴い、院内のクラスター発生を防ぐため、院長直轄の指令により、COVID-19の患者かどうかに限らず、すべての患者で観察を強化し、モニタリングすることでできるだけ早期に疑似症者を発見し患者の広がりを食い止めることを目的としたシステムを構築した。

【方法】当院では患者状態適応型パスシステム/PCAPS(以下、チームコンパス)を採用している。このパス上に「イベント」という患者の多様な状態を補足する仕組みがあり、全患者に「症状観察強化項目」のイベントを適応することによって観察点が漏れないようにした。また、観察内容をもとに基準を設定し、例えば37.5度以上の患者や、味覚障害がある患者をリアルタイムに抽出できるようにした。抽出内容を感染管理の医師・看護師でモニタリング可能とした。システム構築と共にすでに入院している患者にも適応した。「イベント」が立案されないと観察がされないため、立案されていなければ各部署に催促し、全入院患者入力を徹底した。

【結果】感染管理の医師・看護師によりシステムレビューを行い、抽出したい複数の条件(例えば、発熱と味覚障害)に適合する患者を特定し、カルテの閲覧と介入を行うことが可能となった。
【考察】病棟では、入院目的としている疾患の症状としてアセスメントする傾向が強くなるため、客観的にCOVID-19の感染を疑う思考プロセスを置くことは容易ではない(例えば、腫瘍熱と思って見過ごされるなど)。現在までに新規の疑似症者は発見されていないが、今後さらなる感染拡大が生じれば院内感染を最小化するうえで有効であろう。今後はこの仕組みを感染対策に限らずさまざまな対象・領域に活用し、医療の質および看護の質を高めていきたい。