Japan Association for Medical Informatics

[3-D-2-01] 介護老人保健施設の介護看護記録からの施設入所者情報可視化

*Muneo Kushima1, Tomoyoshi Yamazaki1, Snae Araki1, Kazuhiro Kondo1, Kenji Araki1 (1. 宮崎大学医学部附属病院)

Nursing record, Visualization, Degree of nursing care, Data mining, Electronic medical record


目的 : 本研究は、介護老人保健施設の介護看護記録の分析を行い、その結果について介護看護行為を可視化する手法、更に、可視化結果を医療介護従事者間で介護行為を共有し活用することによって人材育成教育や介護従事者によって行われる作業等を効率化する手法を明らかにすることによって、実際の介護行為に反映させる。方法 : 本研究は、分析対象として、要介護度5の入所者に焦点を当て、6か月分の看護介護記録を介護福祉士業務内容とそれに関連する記述を特定するために、記録記述文から分析対象とするデータを取り上げ、解析した。結果 : 頻出語として、睡る、介助、声、娘、昼食、午前、摂取、変わる、入浴、発声、が抽出された。自己組織化マップ等の可視化結果から、介護福祉士の業務の多忙さや、業務に及ぼす大きな要因があると考えられた。特にその中から、知識抽出グループとして、6つに分類された。抽出語のまとまりから、グループ1 を 「睡る」、2 を 「過ごす」、3 を 「交換」、4 を 「排便」、と解釈した。要介護度5の場合では、意思疎通も困難な状況があることが一因であると裏付けられた。更に、結果から状況を判断する支援となった。従って、介護看護の様子を可視化によって解釈することが可能であり、今回抽出された語彙は、介護記録用辞書を作成する上で妥当なものである。結論 : 介護福祉士が認識する業務内容とそれに関する状態について検討を試みた。可視化結果から、介護における中心的な課題が抽出され、諸課題の全体構造等の各介護の役割などが明らかにされた。このことは、多岐にわたっている介護福祉士の業務内容の明確化の手がりになると考えられた。非言語的なサインを尊重したシーティングにつながり、こうした視点を介護職員への教育支援に取り入れる必要性が示唆された。