Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1] Society5.0 時代に期待されるDWHを活用した新たな価値の創成と共有への提言

*Tatsunori Shimakawa1, Hideo Suzuki2, Yoshihiro Muragaki3, Eizen Kimura4, Hiroshi Kondo5 (1. 県立広島大学, 2. SDMコンソーシアム, 3. 東京女子医科大学, 4. 愛媛大学, 5. 鳥取大学)

Semantic Data Model, Society 5.0, medical information, interoperation technology


筆者らは2014年9月26日に一般社団法人SDMコンソーシアムを設立し、臨床的分析に特化したDWHの標準化を目指し、SDM(Semantic Data Model)を公開した。これまで、医療情報学会において、「組織横断的な臨床的分析を可能とするためのDWHの基礎技術の開発」、「医療情報の利活用への適合性の検討」、「データ分析の相互利用における品質確保の施策」というテーマで毎年報告してきた。
一方COVID-19の発生を契機に、医療機関との連携における診療情報の相互利用の遅れが問題視された。この相互利用技術には、標準医療情報交換規約を用いた相互運用の拡大と、標準的な分析手法の共有の2つの側面がある。
後者の課題を解決するために、DWHとして無償公開しているSDMを活用して、専門的かつ、広域対応が必要となる様々な問題に対処する研究開発の期間を短縮できると考えた。  
本企画では、以下の5発表とともに、学会参加者とのディスカッションを通して、情報分析の共有を促進する方法について検討することを目的とし、このワークショップでの成果を活かして、より良い標準規格の構築を目指したいと考える。
①院内で作成した分析モデルを他病院のSDMでも稼働した事例を通して、最新のSDMに関する利用可能な技術の紹介
②リアルタイムの生体情報と患者情報を統合するスマート治療室(SCOT)に、SDMを導入し、他の医療施設で稼働することにより、知恵と技術を共有し、手術の精度と安全性を向上させるための提言
③糖尿病の臨床判断支援(Clinical Decision Support)にSDMを利用することにより、リアルタイムCDSの複数施設による有効性の検証
④データ駆動型診療計画・思考データベース化への提言
⑤既存の仕組みとなるEHRやPHRとの接続による広域でのヘルスケアデータモデルの開発への試みとその問題点から見えた対応策への提言