Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1-02] スマート治療室とSDMを核とした相互運用医療情報基盤DICOSの構築

*Yoshihiro Muragaki1, Jun Okamoto1, Yuki Horise1, Kaori Kusuda1, Ken Masamune1 (1. 東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 先端工学外科)

smart cyber operating theater, internet of things, medical device


治療や手術で使用する医療機器は多種多様でベンダーも多い。スタンドアローンでの運用であったが、近年管理やデータ入出力のためにネットワーク接続可能な製品も増加している。生体信号を取得するモニタリング・診断系と処置や手術を行うデバイス・治療系とに分けられ、MFER等国際標準化された診断系の部分あるが、多くは独自のフォーマットで運用されている。
一方、我々は、滅菌手技を行うためのスペースであった従来の手術室を、それ自体が単体医療機器となって診断治療を行う治療室SCOT(smart cyber operating theater)とするために、異なる企業製品をミドルウェア(OPeLiNK)でネットワーク化した。IoT化したSCOTでは、20以上の医療機器からの時間同期した情報を、手術ナビゲーションによって空間情報を付与した上で、戦略デスクに統合表示できる。解剖学的・機能的・組織学的情報の提示により、術中意思決定支援を行う。基本版(basic)、標準版(standard)、高機能版 (hyper)の3タイプのSCOTで100r例以上の臨床研究を行い、有用性を確認中である。
本SCOT開発では40以上機器の接続のために、機器接続のプロバイダ(デバイスドライバに相当)開発や通信に耐えうるデータフォーマットが必要であったが、同様のコンセプトをもつSDMとの親和性が高いと考える。SCOTは手術室からICUや病棟に拡張していくが、セマンティックデータのSDMとの連携が可能となれば、自由自在に解析できるベンダーフリーの医療情報基盤(DICOS)になることが期待できる。