一般社団法人 日本医療情報学会

[3-F-1-02] データ基盤整備のためのSWG1 における活動について

*山下 暁士1、船越 公太2、山下 貴範3、竹村 亮4、永島 里美5、諸橋 朱美6、中村 泰三2、宮原 冬佳3、高田 敦史3、戸高 浩司2、馬場 英司2、白鳥 義宗1、中島 直樹3、中山 雅晴7 (1. 名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター, 2. 九州大学病院 ARO次世代医療センター, 3. 九州大学病院 メディカルインフォメーションセンター, 4. 慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 生物統計部門, 5. 東京大学医学部附属病院 企画情報運営部, 6. 名古屋大学医学部付属病院 先端医療開発部 データセンター, 7. 東北大学大学院 医学系研究科 医学情報学)

Data Quality Management, Real World Data, Data Validation Checklist, SS-MIX2


SWG1は病院情報システムから出力するデータ項目の選定やその品質管理、および臨床研究への応用を中心に検討しており、プロジェクト(PJ)ごとチームを構成して進めている。現在ある5つのPJのうち、本発表ではデータの品質管理を検討するPJ1と糖尿病患者管理をテーマとするPJ2について報告する。
 PJ1では、現在多くの事業に用いられているStandardized Structured Medical Information eXchange2(SS-MIX2)の品質管理方法の標準化について検討した。最初に品質管理を行うべきデータ種別およびデータ項目を選定、次に、どのような品質評価を行うべきかを議論の上整理し、多施設で応用できるチェックリストを作成した。並行してSS-MIX2データの整合性確認を容易にするためのツールを開発している。今後必要な作業は、品質管理手順の確立やデータ項目が拡張された際の対応方法、そして各施設間による差異の解消などを考えており、新たにSWG4へ移行して活動を継続する予定である。
 一方、リアルワールドエビデンス創出のための研究に必要なデータ項目を明確するためには、具体的な研究課題を複数実施し、検証する必要がある。PJ2はその一つとして開始された。2017年に出版された高齢者糖尿病診療ガイドラインは、それ以前と比して、重症低血糖リスクのある薬剤の使用において血糖コントロールの下限を定めた点が新しいが、それを受けて、診療行動パターンが2017年以降どう変化してきたかの検討を行った。九州大学病院で先行して入院歴のある高齢者糖尿病患者の診療情報を網羅的に抽出し解析を行い、2020年8月より順次多施設に拡大したところである。シンポジウムでは、九州大学病院での解析結果、並びに多施設の準備または解析状況について報告する。