Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-01] システムリプレイス時の端末設置作業における感染防止対策

*Kana Nakamura1,2, Kana Matsumoto1,2, Akiko Nakaizumi1,2, Yasunobu Takahashi2, Mitsuya Numata2, Yutaka Itoh2, Akira Endoh2 (1. 北海道大学病院看護部, 2. 北海道大学病院医療情報企画部)

Infection prevention action, Terminal installation work , Health check


A病院では、2020年2月にシステムリプレイスを実施し、約3700台の端末を設置した。事前に、約950台の周辺機器を交換し、端末本体を仮設置した。システムリプレイス当日の4日間には、約2750台の端末設置と本体交換を行った。端末設置作業は、感染症の発生が多い時期であったため、感染防止対策を実施した。
 感染防止対策については、感染制御部と協議した。感染症に関する専門的な知識がなくても、作業者が理解できるように、作業工程に合わせ、感染防止行動を具体的に明示した。体調管理のルール、作業工程に合わせた行動のフローチャート、健康チェックリストを作成し、作業者へ周知した。また、事前端末設置作業について、医療情報企画部と作業業者で、週1回打ち合わせを行った。
 作業者は、出勤前に自身による健康チェックを実施し、出勤後、医療情報企画部の看護管理者に提出する約束とした。1週間以内に自覚症状があった時や同居する家族に症状がある時は、看護管理者が問診を行い作業の可否を判断した。作業可と判断した作業初回の作業員に看護管理者は、感染防止対策の目的、手洗い・うがい、マスクの着用方法、手指消毒、作業中控えるべき行動、作業中の手指消毒のタイミング等について実技を交え、オリエンテーションを実施した。病棟での設置作業は看護管理者が立ち会った。その結果、計843名(作業者の重複あり)の作業者で実施したが、院外からの持ち込み、院内からの感染伝播を起こすことなく、端末の設置作業を終了することができた。
 端末設置作業における感染防止対策では、専門的な知識を基に、作業工程に合わせた感染防止行動を検討する必要がある。また、チェックリストの活用と問診を行い、医療者が作業可否を判断することで、安全が担保できる。作業者の感染防止行動の実践には目的の理解や、具体的な方法の提示が必要である。