一般社団法人 日本医療情報学会

[3-F-2-03] スタッフナースの情報リテラシーを育成する研修プログラムの開発と評価

*安藤 瑞穂1 (1. 東京医療保健大学千葉看護学部)

Information Literacy, Evidence-Based Practice, Metacognition


【目的】PDCAサイクルを用いて,組織での継続的な実施を可能とするスタッフナースに必要な情報リテラシーを育成する研修プログラムを作成し,その質を評価した.【方法】メタ認知の観点から情報リテラシーを育成する,講義・演習からなる3時間の研修プログラムを作成し,10名の管理者,認定・専門看護師を除く臨床経験3年以上のスタッフナースを対象に実施した.研修前後に参加者の情報リテラシーの自己評価を,研修後にアンケートを実施し,分析した.【結果】研修前後に実施した情報リテラシー自己評価では,研修前から8割以上の参加者が習得していた情報リテラシーは全58項目中10項目,研修後に8割以上の参加者が演習で実施したと回答した項目は45項目であった.情報リテラシー自己評価の記述欄に記載された記述データでは,参加者は利用可能な情報源の区別や情報検索結果の保存等は行えると認識し,著作権の取り扱い等の倫理的な情報の取り扱いはうまく行えないと認識していた.疑問や課題の定式化,効果的・効率的な情報検索,情報源と情報の評価,情報を評価し結論を導き出すことについては,行えるが課題もあることを認識し,この解決に向けた工夫を示すことができていた.研修後アンケートでは,研修への満足度が高いこと,研修資料や研修時期について改善の必要性があることが明らかとなった.【考察】本研修プログラムの,現状の情報リテラシー自己評価―講義―演習―研修後の情報リテラシー自己評価という構造が,8割以上の参加者が約80%の情報リテラシーを実施できたこと,情報リテラシーのメタ認知を可能としたと考える.また,PDCAサイクルを用いて本研修プログラムを評価したことで,講義資料や研修時期等の改善案が示され,組織での継続的な教育を可能とする示唆が得られた.