Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-04] FHIR Questionnaireを用いたテンプレート情報の標準化の試みと試験実装

*Masamichi Ishii1, Kengo Miyo1 (1. NCGM(国立国際医療研究センター)医療情報基盤センター)

HL7 FHIR, Clinical Registry, EMR Template


【背景】J-DREAMS、J-ORBIT等の多施設臨床レジストリにおいて、医療機関で運用中の電子カルテシステムのテンプレート機能を活用した臨床情報収集事業が先行している。しかしながら、電子カルテベンダーごとにテンプレートを開発する必要があり、収集情報の保守及び改版の都度、改修コストが発生するため運用コストの負担が研究推進の律速となっている。
【従来の手法】課題解決にあたりテンプレート情報の標準化を提案する。従前では、収集対象の臨床項目を定義した設計文書に基づいてテンプレートを構築していた。
【提案手法】電子版の共通テンプレート定義情報からテンプレートを自動生成する方式とする。本論では、電子版共通テンプレート定義の記法として FHIR Questionnaire 形式を採用してテンプレート構築に必要な情報を電子的に定義して、定義情報からテンプレート定義を復元するテンプレート生成手法を設計のうえ、試験実装することで可用性を検証する。
【結果】
・テンプレート標準機能で定義可能な項目は自動生成された
・Qustionnaire 型式には「質問が動的に展開されるテンプレートの構造表現」の定義がない
・Qustionnaire 型式には「項目間の配置等レイアウト情報」の定義がない
【考察】
・基本要素については実装可能である
・動的に展開するテンプレート情報、項目レイアウト情報の定義方法の検討が必要である
・多施設の場合は、ローカルコードとのマッピングを管理する機能が必要である
・テンプレート入力値をQuestionnaireResponseで出力する方法については今後検証が必要である
【結論】
FHIR Qustionnaireを用いた共通テンプレートからのテンプレート生成及び利活用の可能性を示唆できた。今後は複数の電子カルテシステム製品間での運用可用性について検証を進めていきたい。