Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-05] HL7 FHIRとSS-MIX2標準化ストレージのマッピング検証

*Katsuya Tanaka1, Ryuichi Yamamoto2 (1. 国立がん研究センター, 2. 医療情報システム開発センター)

Secondary Use, Standardization, HL7 FHIR, SS-MIX2


【はじめに】広く普及しているSS-MIX2標準化ストレージは、膨大な数のHL7 v2 Messageで構成されていること、患者を起点としたディレクトリ構造となっていることから、臨床研究等を目的とした患者横断的なデータセットの抽出には不向きであり、また、二次利用においてHL7 v2のメッセージ定義への予備知識が求められる。そこで、直感的な二次利用向けのユーザインターフェイスを実現するためのアプローチとして、HL7 FHIRを用いたインターフェイスを試作している。これまでに開発したデータ検索可能なSS-MIX2ストレージに連携したデータセット抽出機能の開発を試みる過程で、インターフェイスとデータソース間の規格違いからマッピングが必要となった。

【方法】HL7 FHIR ResourceとSS-MIX2標準化ストレージとの互換性の程度を評価するために、10のHL7 FHIR ResourceとSS-MIX2間のマッピングを実施・検証した。検証に使用したバージョンは、HL7 FHIR:R 4.0.0、SS-MIX2標準化ストレージ:Ver 1.2c、とした。

【結果】FHIRを起点として、Resource Propertyで評価すると、282件中138件(49%)と件数的にはマッピング率は低い。しかしながら、検査項目コード、結果値、処方薬剤コード、数量、などの主要なデータ項目についてはマッピング可能なことが確認できた。なお、HL7 FHIR、SS-MIX2双方で未使用項目として定義されている項目は、マッピング成績には影響しない。

【おわりに】既存の標準化ストレージを活用可能な基盤が実証されれば、過去のリソースを低コストで有効利用できる。現時点では、マッピング率の低さから、HL7 FHIR Resource、SS-MIX2標準化ストレージ間の記述規格変換において欠落してしまう項目の拡充が今後の課題となる。