[3-G-1-07] 国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院における電子カルテへの国内標準コード(HOT9、JJ1017、JLAC10)導入状況
The use of the standard dictionary (HOT9,JLAC10,JJ1017), Real World Data, Organizational Structure of Code standard introduction
目的
Real World Data(RWD)の施設横断的な利活用にあたり、電子カルテに診療情報に関連する国内標準コードを導入する方法とその問題点を考察した。
方法
当院独自の医薬品マスタ、放射線マスタ、臨床検査マスタに対し、厚生労働省標準規格であるHOT9、JJ1017、JLAC10の紐づけを行う。
コードマッピングプログラムを作成し自動でコードを紐づけし、自動マッピングできないコードは、可能な限り手動で紐づける。この時、実際に紐づけた独自コードと標準コードの対応表を作成し、電子カルテへの取り込みを実施する。対応表の整合性は、当院の薬剤部、放射線技術部、臨床検査部が臨床的に妥当か目視で確認する。
結果
自動・手動にて国内標準コードをマッピングできた割合は、HOT9:77.8%、JJ1017:52.5%、JLAC10:99.5%であった。この結果から、作成した対応表の電子カルテへの取り込みを見送った。
考察
標準コードの紐づけには「当院固有の問題」と「国内標準コード化の問題」の2つの問題を確認した。
当院固有の問題は2点あり、1点目は電子カルテの不備やコード化のためのデータ不足が挙げられる。例えば、JJ1017は、電子カルテの中間コード(HL7KEY)作成のロジックに不備があり正しくコードが付与できず、HOT9は院外処方による後発品の利用があり、電子カルテ外のデータを取り込む必要があった。2点目は運用の問題で、当院独自マスタに適切な用語が使われていない等のケースが存在した。
国内標準コード化の問題は、判断や解釈の違いにより紐づけられる国内標準コードにバラツキが発生する、院内独自コードに紐づける候補が標準マスタに存在しない等の点が挙げられる。
上記問題解決の為、各施設のコード付与のルールを管理する組織や、逐次追加されるコードを反映する仕組みや定期的メンテナンス等の導入が必要と考える。