Japan Association for Medical Informatics

[3-G-2-01] 薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist)に対する現状調査2020
~第1章 薬剤師・医療情報技師の背景、業務および活動について~

*Kenta Koike1, Masahiro Ohba2, Miyu Taniguchi3, Yoshiaki Ara4, Masaaki Takahashi5, Tadamasa Kamimura6, Tomohisa Sudo7, Yoshinori Seto8, Hiroyasu Sato9 (1. 医療法人社団誠馨会総泉病院 薬剤部, 2. JA神奈川県厚生連伊勢原協同病院 薬局, 3. 薬剤師・医療情報技師会, 4. 国立病院機構信州上田医療センター 薬剤部, 5. 社会医療法人若竹会つくばセントラル病院 薬剤部, 6. 一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院 薬剤部, 7. 国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター, 8. 北里大学病院 薬剤部, 9. JA北海道厚生連帯広厚生病院 薬剤部)

HIT-Pharmacist, Healthcare Information Technologist, Hospital Information System, Pharmacist


【目的】
 我々は医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師(以下HIT-Pharmacist)と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。今回は、前回の2016年に引き続き「薬剤師・医療情報技師会」に所属するHIT-Pharmacistを対象として、実態調査のアンケートを実施した。本発表では、HIT-Pharmacistの背景、業務および活動について今回の結果と2016年からの経年変化について報告する。
【方法】
 2020年4月時点における薬剤師・医療情報技師会の会員221名に対して、メーリングリストを利用してアンケートを実施した。
【結果】
 82名から有効回答が得られた。(回収率37.1%)
 回答者の認定取得年度別では、2010年度以降「薬学関連の学会・研修会・勉強会」にて医療情報技師を知った人が増加していた。
 2016年調査時と比較して資格を活かせている割合は、20%以下と71%以上の割合が増加し、二極化した。
 情報システム関連業務の業務全体における比率は平均27.6%(中央値20%)であり、現在行っている業務を4種類以上回答した人では、比率が低下していた。
 資格取得に関して89.0%の人が、5段階評価(5:良かった)で4以上の回答をしていた。
【考察】
 今回の結果から、薬剤師業務に医療情報システムの知識を活かす目的で医療情報技師を取得する薬剤師が増加していると考えられる。このことはHIT-Pharmacistの裾野が広がって来ていることを示唆するものである。
 また、多くのHIT-Pharmacistは薬剤師業務の合間にシステム関連業務を行っていることが推測されるが、情報システム関連業務の比率に関わらず多くの取得者が医療情報技師を取得して良かったと回答していることから、薬剤師業務自体に医療情報システムの知識が有益であることが考えられる。