[3-G-2-02] 薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist)に対する現状調査2020 ~第2章 所属医療機関の薬剤部門システムについて~
Hit-Pharmacist, healthcare information technologist, hospital information system, pharmacist
【目的】我々は医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師(以下HIT-Pharmacist)と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。今回、薬剤師・医療情報技師会に所属するHIT-Pharmacistを対象として、実態調査のアンケートを実施したので、薬剤部門システムに関する項目について報告する。
【方法】2020年4月時点における薬剤師・医療情報技師会の会員221名に対して、メーリングリストを利用してアンケートを実施した。
【結果】82名の有効回答のうち、病院・薬局に所属する69名を対象として、薬剤部門システムに関する回答を解析した。病院63施設、保険薬局6施設のうち、自動錠剤分包機は全体の94.2%、アンプルピッカーは病院全体の55.6%で導入されており、特に500床以上の大規模病院で90.5%と導入率が高く、2016年の調査と同様の結果であった。GS1 DataBarの利用率は注射ピッキングチェックシステム、錠剤ピッキングチェックシステムで高く、それぞれ95.0%、84.2%であった。また、病棟業務日誌では病院全体の49.2%が自作のシステムを利用しており、薬剤管理指導記録では50.8%が部門システムを利用していた。
【考察】各システムの導入率等、2016年の調査と比較して大きな変化は見られなかった。中小病院でのアンプルピッカーの導入率が低いが、小規模な病院ほど高価なシステムを購入することは難しく、また必要性も低いと考えられるため、今後も同様の傾向が見られると予想される。一方、病棟業務日誌では、半数近くの病院で自作のシステムを利用しており、安価で使いやすいものを求めた結果であると考える。医療情報技師として自施設に合ったシステムを追求していくために、今後も調査を続けていく必要がある。