[3-G-2-03] 薬剤師・医療情報技師(HIT-Pharmacist)に対する現状調査2020 ~第3章 病院情報システムについて~
HIT-Pharmacist, Healthcare Information Technologist, Hospital Information System, Pharmacist
【目的】
近年、医療機関における様々な薬剤師業務において、情報システムの利活用が進められている。情報システムを有効かつ安全に利用するためには、知識や技術が必要であり「医療情報技師」の取得が一つの方法と言える。我々は、医療情報技師の資格を取得した薬剤師を薬剤師・医療情報技師(以下HIT-Pharmacist)と称し、「薬剤師・医療情報技師会」を設立している。今回、薬剤師・医療情報技師会に所属するHIT-Pharmacistを対象として、所属する医療機関の病院情報システム(HIS)に関して前回2016年に続きアンケートを実施したので報告する。
【方法】
2020年4月時点における薬剤師・医療情報技師会の会員の221名に対して、メーリングリストを利用してアンケートを実施した。
【結果】
82名より有効回答が得られ、HISが導入されている61名を対象とし解析した。内服薬を処方する際の入力用量は、1日量と回答した施設が91.8%であった。処方チェックシステムの項目では、1日量・1回量、薬物アレルギー、処方日数制限等は多くの施設で行われていた。医薬品検索については一般名称や複数の検索名称を設定できるとの回答が多かった。院外処方箋に処方内容に関する情報をQRコード等の電子的情報として印字あるいは提供している施設は、前回10.3%、今回32.8%であった。
【考察】
2016年のアンケート結果と比較しQRコード等の電子的情報として提供した施設が増加していた。地域における薬剤情報の電子的な連携が普及したためと思われる。HISの機能はベンダー毎にカスタマイズされており、薬剤関連オーダについては施設毎の設定やチェックが要求される。HIT-Pharmacistとして調査を継続することによりHISの実態を把握することは、情報システムの普及状況や問題点を抽出するために有用であると考える。