一般社団法人 日本医療情報学会

[3-G-3-01] 画像生成深層学習の活用と危険性に関する検討

*古々本 一馬1、仲野 和彦2、大川 玲奈2、和唐 薫子2、野崎 一徳1 (1. 大阪大学歯学部附属病院 医療情報室, 2. 大阪大学大学院歯学研究科 小児歯科学教室)

deep learning, generative adversarial network, image generation, pediatric dentistry


【背景】画像生成深層学習の一種であるGenerative Adversarial Network (GAN) は、人間が本物と見分けられない程の高精度で画像が生成出来る。一方で、GANを用いたDeepFakeと呼ばれるフェイク画像が問題となっており、虚偽の政治的発言等に悪用されている報告等がある。本研究では、GANを用いて口腔内写真およびパノラマエックス線写真の生成を行い、GANがもたらすポジティブな面とネガティブな面の両方に関して検討を行ったので報告する。
【方法】教師データとして、口腔内写真を約34000枚、パノラマエックス線写真を約8000枚用意した。GANのモデルとして、(Progressive Growing GAN; PGGAN)を採用した。128x128、256x256、および512x512の解像度で画像を生成し、生成画像の質を目視で評価した。
【結果】PGGANにより、全ての解像度で本物と見分けがつきにくい口腔内写真およびパノラマエックス線写真を生成できることが明らかとなった。
【考察】GANによって生成された画像は、入手量に限りがある医療画像の教師データを水増しする手法の1つとして利用できるようになる。また、学生の教育に使える資料が無制限に作成でき、教員が伝えたい内容にあった画像を適宜生成することで教育の質が向上する可能性がある。 一方で、GANにより生成されたフェイクの医療画像が電子診療録に登録されてしまった場合、フェイク医療画像を見破れなければ不適切な治療方針が決まってしまい、患者が不利益を被ってしまう可能性がある。また、医療そのものへの影響のみならず,論文や症例報告、裁判資料などへも影響が及びかねない。GANで医療画像が生成可能な時代になりつつあることを広く普及し、その利活用について今後議論していく必要があると考えられる。