一般社団法人 日本医療情報学会

[4-A-2-03] 対人業務の充実に必要な取組とこれからの薬剤師に期待すること

*安川 孝志1 (1. 厚生労働省 医薬・生活衛生局 総務課)

pharmacist, dispensing, responsibility


薬剤師の業務ついては、処方箋に基づく調剤のほか、患者への情報提供や服薬指導のほか、多様なことが本来できるはずである。患者のための薬局ビジョンにおいても、かかりつけ薬剤師・薬局を進めているが、対物業務中心の業務から、対人業務中心の業務にシフトすることを求めている。
昨年12月に公布された薬機法改正のために検討された、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」(平成 30 年 12 月 25 日)においては、薬剤師の行う対人業務を充実させる観点から、医薬品の品質の確保を前提として対物業務の効率化を図る必要があり、「調剤機器や情報技術の活用等も含めた業務効率化のために有効な取組の検討を進めるべき」とされた。このため、調剤業務のあり方について、薬剤師が調剤に最終的な責任を有するということを前提として、薬剤師以外の者に実施させることが可能な業務の基本的な考え方について、平成31年4月2日に厚生労働省医薬・生活衛生局より「調剤業務のあり方について」の通知を発出したが、通知の内容だけではなく、このような通知を示した背景を知った上で、本来薬剤師が取り組むべき業務を進めていく必要がある。
今回の講演では、当該通知を踏まえた薬剤師に求められる今後の業務と、今後の薬剤師に期待することを行政側の立場から述べていきたい。