Japan Association for Medical Informatics

[4-A-3-02] 新型コロナウイルス感染対策:ICTを活用した接触の低減

*Kusafuka Hiromitsu1, Shingo Fukasawa1, Hidenobu Hitsuishi1, Kazutoshi Matsunami1 (1. 松波総合病院 内科)

COVID-19, Contactless, Online, AI Interview


新型コロナウイルスによる院内感染対策の基本は、接触・飛沫予防策であり、患者に接触する場合、マスクの着用、手指衛生の確実な実施に加え、接触の程度による個人防護具の追加が求められる。COVID-19患者はもちろん、発熱があるなどCOVID-19が疑われる場合も、同様の対策が必要となる。
2020年3月に始まったCOVID-19への対応は過去に経験がなく、感染対策関連物品のほか、ICT機器やその運用を支える専門職等の移動制限に伴って人材確保も困難となる中、対策の実行が求められた。そこで、我々は、入手可能なICTシステムや機器と院内スタッフで実施可能な方法で、患者との接触低減を図ることとした。
外来においては、サーモグラフィーを運用し個別の体温測定を中止したほか、発熱患者のトリアージ方法を検討し、AI問診UbieのCOVID-19アラート機能や紙問診に代わる来院前問診、来院後のスマホ問診を活用することとした。さらに、iPadとFaceTimeを使用し、発熱患者と車内や診察室との間でオンライン診察を行うことで患者との直接接触を最小限とした。
COVID-19患者の入院治療開始にあたり、人数分のiPadを用意しFaceTime通信の他、患者との間でテキストや画像を送受信するAppを開発し、軽症かつ自立している患者では、ほぼ接触なく入院治療を提供する体制を構築した。
また、iPadとFaceTimeあるいはWeb会議システムを使用するビデオ通信システムに加えて、管理・予約システムを開発することで、オンライン面会、栄養指導、診察が可能となり、それぞれ、面会禁止中の面会・面談、受診抑制下の電話に代わる栄養指導や診察の有効な方法として活用している。
COVID-19対策は、資源の乏しい中で、即時性、即効性、継続性が求められ、既存のICTの活用とユーザーメードが有効であった。