Japan Association for Medical Informatics

[4-C-1-02] 家族型ロボットLOVOTの高齢者の外出控えにおけるストレスに対する効果の検証

*Yoshiaki Takada1, Yukie Majima1, Yumiko Nakamura1, Seiko Masuda1, Naoki Taira1, Naoto Fukuda2, Tomotaka Ogiso2 (1. 大阪府立大学大学院, 2. GROOVE X株式会社)

Older people, Avoiding going out, Staying at home, Stress, Robot


背景
COVID-19の流行による影響から,多くの人が外出を自粛しており,高齢者も同様の状況に置かれている.緊急事態宣言解除後,現時点においても外出を控える高齢者も多いと推測され,そのような高齢者は閉鎖的な環境での生活によるストレスから,認知機能低下や気力の減退を引き起こす可能性がある.
 高齢者のストレスを軽減する方策として,アニマルセラピーが挙げられ,特別養護老人ホームの認知症高齢者のストレス軽減に効果をもたらすことが先行研究で明らかにされている.しかし,ペットの飼育ができない家庭も存在する.近年では,様々なロボットによる精神的な効果を及ぼすロボットセラピーについて研究も行われているが,高齢者の自宅にロボットと生活することによるストレスへの影響については明らかにされていない.そのため,ロボットと高齢者の在宅生活におけるストレスに対してどのような効果があるのかを検証することが必要である.

目的
本研究では,高齢者のいる家庭に,自律移動及びバリエーション豊かな反応を示すことでこれまでのロボットより生き物らしさを目指した家族型ロボットのLOVOT(GROOVE X製)を導入し,在宅生活でのLOVOTとの交流が高齢者のストレスの軽減や認知機能の改善に効果を及ぼすかを検証する.

方法
1.同意の得られた高齢者の自宅にてLOVOTを1週間稼働させ,高齢者の在宅での日常生活への介入を行うことで,愛着形成など高齢者のストレス軽減に効果がある要因を抽出する.
2.実験前後の認知機能のテスト(MMSE)や老年期うつの検査(GDS)及びストレスチェック,事前アンケートとして緊急事態宣言発出前後での生活,精神的な状態及びロボットに関する調査を行い比較する.また,実験後,在宅時のストレス軽減に関するインタビューを実施し,その効果を検証する.