Japan Association for Medical Informatics

[4-D-1-01] 病院情報システム上のデータのリアルタイム活用について~病院情報活用サービス「PROBE」の開発~

*Atsushi Nakamura1,2, Takeshi Hayashishita2, Youichirou Mitsuishi2, Shizuka Matsushita2 (1. 医療データ分析ラボ, 2. 株式会社サンネット)

Medical Information System, real time, monitoring


【目的】地域医療構想が進展する中、各医療機関では自院の診療機能や経営状況を安定化させ、2025年に向けての方向性を明確にしなければならない。診療機能等の安定化については病院情報システム上の情報を活用し、入外患者数や看護必要度、患者単価など様々な診療の現状を把握し改善を行うことになる。しかしながら分析の必要性は理解できても実際の分析を行う方法論と人材が不足しているのが現実である。このことから多くの病院で実装されている電子カルテ・医事システムからデータを抽出し、病棟運営等の診療活動や保険請求等に活用できるシステムの開発を行った。【方法】蓄積された大量のデータを収集・分析し、迅速な意思決定を助けるためのBIツールであるTableauを使用し、NEC社製の電子カルテMegaOak-MI・RA・Isと医療事務システムMegaOakIBARSから抽出したデータを分析して電子カルテ等の画面上に表示する。【結果】内部分析(院内特性)として、現時点での病院内の状況を示すダッシュボード機能(外来患者状況や手術状況、病床状況等をリアルタイムで表示)と病院内の状況を示す数値分析機能(外来・入院患者統計や稼働額、看護必要度等の状況等の分析)を的確に提示できた。これとは別に、外部分析(地域特性)として、外来・入院患者の来院マップ表示や公開データを活用した疾患シェア率、在院日数評価等も提示できた。【考察と結語】これまで行われていた月単位でのデータ集計・分析後の対応判断や効果判定には時間を要するが、これらをリアルタイムで行うことで、即座の対応や判定が可能となった。また、このシステムは診療実務面でも経営面でも活用できることが判った。今後は、NEC製のシステムだけではなく、他社のシステム上でも同様な機能が実現できるように開発を続けていくこととしている。