Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-02] 多施設データ駆動型臨床研究のためのガバナンスセンター運用

*Atsushi Takada1, Takanori Yamashita1, Chinatsu Nojiri1, Takashi Kinoshita3, Kenji Uchiyamada2, Taeko Hotta2, Kang Dongchon2, Naoki Nakashima1 (1. 九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター, 2. 九州大学病院 検査部, 3. (株)ケア・フォー)

standardization, governance, data-driven


【背景】
医療データ駆動型事業の代表であるMID-NETは、医薬品の安全性対策を目的として、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)によって構築され、一定の品質を確保する体制を維持しながら運用されている。
【目的】
本研究は、AMEDによる「大規模医療情報の標準化のための統一的管理手法の構築と利活用の研究」事業により行った。複数施設を含んだデータ統合解析事業において、データが適正に標準化された状態を維持するために、効率的にガバナンスする手法を開発することを目的とした。
【方法】
ガバナンスすべきマスタを、医薬品、用法、単位、検体検査、傷病名とした。 研究協力が得られた8病院グループにおいて、マスタの差分検知ツールにより週次で差分を自動取得し、MID-NETのネットワークを利用して、本研究事業で設置したガバナンスセンターに集約した。 このマスタ差分情報で設定されている標準コードの付与状況、適正性を確認の上、未/誤設定の場合は想定される標準コードを付与し、当該施設と共有した。
【結果】
更新頻度の高い医薬品についての結果を示す。 2020年4月から6月の期間において、30481薬剤についてのガバナンスを行った。 MID-NETでは医薬品の標準コードとしてHOT9コード、YJコードが採用されている。 医療施設において、両方のコードが正しく付与されていたのは32%(9716薬剤)、どちらかのコードが正しく付与されていたのは52%(15901薬剤)であった。
【考察】
医薬品における標準コードについて、医療施設毎の状況が確認できた。 MID-NETにおいては、PMDAによる出力後データのガバナンスによる標準化が行われているため、MID-NETの運用自体には支障はない。しかし、各医療施設のデータの汎用的活用という観点では、効率的なデータ標準化の運用の検討が必要である。