[4-G-1-04] 標準化された医療情報の臨床研究への活用
SS-MIX2, SEAMAT, eSource, REDCap, CRIN-Q
【背景】
近年eSourceが注目を集めている。例えば電子カルテ内の情報を電子的に取得することで臨床研究のためのデータ入力負荷軽減、品質向上を目指すものである。この実装は以下の課題のため進んでいなかった。
(1)集約したデータの標準化や構造化が進んでいない
(2)臨床研究に使用するデータとの紐付けが困難
(3) SS-MIX2はデータベース構造を取っていないためデータ抽出に工夫が必要
2018年度から開始されたAMED臨中ネットにおいて(1)の標準化を進め、 日本循環器学会IT/Database委員会策定のSEAMATを活用しデータの構造化も進めた。また、(3)の課題についてSS-MIX2内のデータを、当院医療情報部門内の臨床研究用データベース「CRIN-Q」を介し抽出する仕組みを検討した。
【目的】
臨中ネット事業で作成したツールを用いeSourceの臨床試験への実装を行う。
【方法】
当院ARO次世代医療センターのEDC「REDCap」を利用する心臓リハビリテーションの臨床試験(倫理審査許可番号:20192031-1)にて電子的に検査データを取得する。
・SS-MIX2標準ストレージ
-採血データ
・SS-MIX2拡張ストレージ
-心エコー検査データ(SEAMAT)
をCRIN-Qデータベースに登録し、症例IDとVisitの検査日付を入力することで、REDCapでインポート可能なCSV形式でデータ抽出した。
【結果・考察】
単施設で実施される臨床試験において電子カルテ・部門システムの情報を直接臨床研究に使用する形でeSourceの実装ができた。特に真正性が確保された部門システムデータ(SEAMAT)がEDCに格納されるため工数削減・品質向上を実現できた。また、SS-MIX2拡張ストレージデータも抽出できたことでデータ活用範囲が拡張された。今後複数施設から出力される結果を統合解析可能か確認したい。