[5-A-1-03] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)をはじめとする公的DBの今後の展望
NDB, Integration, Patient identification, Nursing care, Health insurance claims
レセプト情報・特定健診等情報データベース(以下、NDB)及び「介護保険総合データベース」(以下、介護DB)は、医療保険及び介護保険のレセプトデータ等を悉皆的に格納する匿名のデータベースとして、NDBは平成21年4月以降の、介護DBは平成24年4月以降のデータを収集し、匿名化した上で格納している。
厚生労働省ではこれらを、医療・介護分野の計画の策定、実施、評価のための分析等のデータに基づく政策形成等(いわゆる本来目的の利用)に活用している。また、本来目的の利用のほか、学術研究、研究開発の発展等につなげていくため、ガイドラインを整備し、大学等の研究機関の研究者等に対して、有識者会議における審査を経た上で第三者提供を行ってきた(NDBは平成25年度から、介護DBは平成30年度から第三者提供を開始)。
令和2年10月には改正法が施行され、法律の下に第三者提供が位置付けられ、提供先が民間企業にも広がるとともに、罰則規定が設けられた。
上記の改正法施行に伴い、NDB・介護DBとの連結解析も可能となった。令和4年4月以降にはNDB・介護DBに加えて、DPCデータベースの連結が可能となる予定であり、現在集計表情報のみの提供であるDPCデータベースも、個票提供に向けて検討を進めている。今後は全国がん登録データベースや難病データベースといった他の公的DB等との連結を視野に入れ、法令面・技術面での検討を進めている。
また、医療関連DBでは名寄せも課題である。現在NDBでは主に、被保険者番号等から生成したハッシュ値と、名前等から生成したハッシュ値の2種類の名寄せIDを提供している。令和3年10月以降に個人単位医療被保険者番号をハッシュ化して作成した識別子の収集を開始する予定で、これは将来的に長期追跡性に優れた名寄せIDになる予定である。
講演ではこれら公的DBの今後の展望を紹介する。