Japan Association for Medical Informatics

[5-B-1-03] 生活機能サマリー、ICFに準拠した標準化への取り組み

*Masaaki Otaga1, Sunao Watanabe2, Shihomi Shibayama3, Kaoru Sakata4 (1. 国立保健医療科学院 医療福祉サービス研究部, 2. 一般財団法人 医療情報システム開発センター, 3. 埼玉県立大学保健医療学部, 4. 公益社団法人 京都保健会 京都民医連中央病院)

ICF, ICD-11 V-chapter, Summary Report on Functioning, integrated care system


現在わが国では超高齢社会の進展に対応すべく、地域医療構想による病院の機能分化、そして地域における医療・介護・福祉サービスの包括的・継続的な提供体制である地域包括ケアシステムの構築を進めている。これらを進めるにあたって、2006年から継続的に診療・介護報酬等におけるインセンティブによって、患者を中心としたさまざまな連携が展開されている一方で、連携によって共有されている情報の活用や患者アウトカムにつながっているかどうかの検証は十分になされていない。この原因として、現在、患者にかかわる機関や専門職らは、さまざまな様式やアセスメント項目を扱っていることや内容の統一化の試みも地域ごとに行われていること等があげられる。このような状況下において、ヘルスケア領域における網羅的な情報を整理するフレームワークが必要になるが、その候補として考えられるのが、2001年にWHOが発表した「国際生活機能分類」と訳されるICFである。このICFの活用については長年検討されてきたが、項目は多すぎるといったことや評価の方法が煩雑であるなどさまざまな課題があることが指摘されてきた。しかし近年、疾病ごとのショートセットであるコアセットや参加と活動に焦点化したWHO-DAS2.0といったアセスメントツールの臨床適応が検討されつつある。また2018年6月18日に公表されたICD-11にはICF項目の一部を含む補助セクションVが新たに創設されており、ICDと合わせてICFを活用していく契機が生まれている。そのような背景のもと、ICD-11に導入された生活機能評価に関する補助セクションVの内容やこの元となったICFの評価ツールとしてこれまでの活用状況を概括した上で、地域包括ケアシステム構築に向けた医療・介護・福祉の共通情報としての生活機能サマリー開発の取り組みについて本発表におで報告を行う。