Japan Association for Medical Informatics

[5-B-1-05] 医療安全を担保するためのPatient Summary考

*Masaharu Nakayama1 (1. 東北大学大学院医学系研究科医学情報学)

allergy, adverse drug events, patient summary


退院サマリのみならず、患者情報の一元管理は大変重要である。外来患者であれば今までのプロブレムリストや既往歴、治療方針等を電子カルテ上にまとめている医師は多い。必要な情報は科によって様々であるが、その患者を診るにあたってどの診療科においても必要な情報が一元管理化できることが理想である。日本医療情報学会課題研究会である「患者プロファイル情報基盤研究会においても患者の全体像を生活・社会背景、身体特性および治療情報等の多方面から把握することを目的として項目を検討されてきたと思われる。近年、同様な観点からInternational Patient Summary (IPS)が注目されている。IPSは国を超えて情報交換できるよう汎用性を目指しており、データは電子カルテからの抽出を想定している。再利用可能なコアデータ項目セットとして定義されているIPSライブラリには、病名、検査結果、処方などが含まれる。本発表では、このうち医療安全に関わる重要な要素の一つとして、アレルギー情報とデバイスを取り上げる。筆者の属する東北大学病院では、一般的にアレルギー情報と呼ばれるものを、実際に患者が過去に生じた副作用情報と一般的な注意情報とに分けている。また、食事やアルコールなどはその他のアレルギー情報として記載する欄を設けている。記載欄には、単に薬剤名を羅列するのではなく、いつ発生したか、いつ記録したか、信憑性はどの程度ある情報か、出現した症状は何で、その重症度はいかほどか、最終的に該当薬剤の再投与を禁止するのか警告を出すに留めるのか、などの情報を入力できるようにしている。また、デバイスも技師や看護師の協力を得て、なるべく詳細なデータを入力するようにしている。これらの情報は、現在標準化された退院サマリやIPSで定義される情報とどのような差異があり、また、今後どのような展開が必要であるかなどを議論していきたい。