Japan Association for Medical Informatics

[5-B-2-02] 鹿児島大学版DPC対応看護計画マスタ活用による アセスメントの見える化で見えてきたもの

*Yumiko Uto1, Yukari Fukuda2,3,4, Yasuyo Hanabaru1,3, Katsuko Ichimura3, Takashi Iwaanakuchi1 (1. 鹿児島大学病院 医療情報部, 2. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科, 3. 鹿児島大学病院看護部, 4. 鹿児島大学病院地域医療連携センター)

Assessment, Nursing plan, Electronic medical record, DPC


【背景・目的】 鹿児島大学病院では,入院期間の短縮に伴う看護計画の作成時間や記録時間の効率化を目指して,DPC対応看護計画マスタを作成し2019年10月より使用を開始した.筆者らが行った先行研究において,従来,看護師が行ったケアを,観察・測定・ケアという業務分類としての枠組みの中で把握してきたが,アセスメントの視点が加わることで,何のために各ケアが提供されたか見えるようになった.また,同じケア項目でも,複数の目的を達成するために提供されていることが明らかになった.しかし,一方で,施設基準や診療報酬上の制約に伴う医療安全に関する記録が増えてきており,看護師自身のアリバイ管理のための記録内容が増加傾向にあることも明らかになった.記録の質にも影響を及ぼすものなので,本研究で分析評価を行った.
【方法】期間:2019年10月1日~2020年1月31日,対象:①対象期間中に1入院履歴を有する患者について,性別,年齢,入院期間,転帰,DPC,看護計画(アセスメント,ケア項目,実施データ)を抽出した.②鹿児島大学版DPC対応看護計画マスタのケア項目とアセスメントの関連性を明らかにした.③入力件数が最も多かったMDC06を用いて分析を行った.【結果及び考察】マスタに収載されている看護計画は438種類であり,それらの看護計画で用いられている観察・測定・ケアに関する用語は538種類であった.また,MDC06患者は239件,平均年齢67.4歳(SD19.2),平均入院期間23.1日(SD26.1)であった.全体的な傾向として,日常生活の援助として,清潔の保持を図る目的,安全の確保を図る目的,感染を予防する目的で実施している観察,測定が多かった.また,合併症を予防する目的で実施している観察が多かった.その中で,安全の確保,感染予防において,看護師自身のアリバイ管理のための記録が多い傾向がわかった.