[5-B-2-04] 構造化されたアセスメント情報を含む看護実施データの分析による退院支援の評価
DPC (Diagnosis Procedure Combination), Nursing Plan Master, Assessment, Discharge support
【背景・目的】入院期間の短縮に伴う看護計画の作成時間や記録時間の効率化を目指し、鹿児島大学版DPC対応看護計画マスタを作成し、2019年10月より使用を開始した。本マスタは、我が国初のアセスメントの視点を盛り込んだ看護計画立案ができ、入院時から退院時を見通した看護計画の作成を可能とした。筆者らの先行研究では、退院支援を実施した患者の看護計画や実施データを、退院支援の進捗に影響を及ぼす要因別(入院期間・年齢階級・転帰)に、ケアの提供状況とアセスメントの視点の関連性を分析した結果、患者の特性に応じたアセスメントの傾向が明らかとなった。今回は、退院支援を実施した患者の看護計画や実施データから見た病棟看護師のアセスメントの視点と、退院支援看護師が実施した支援内容との関連性を明らかにし、評価したので報告する。
【方法】期間:2019年10月1日~2020年1月31日、対象:期間中に1入院履歴を有し、退院支援を実施した患者の看護計画と実施データ、並びに退院支援スクリーニングと実施した退院支援の内容。方法:①鹿児島大学総合病院情報システム(THINK)に蓄積された看護計画及び実施データ、並びに退院支援スクリーニングと退院支援の内容を看護記録から抽出する。②抽出データをMDC別に分類し、患者数の多かったDPCについて分析する。③退院支援看護師による退院支援スクリーニングの内容と実施した退院支援の内容をもとに、病棟看護師が立案した看護計画のアセスメントの視点との関連性を分析する。
【結果及び考察】退院支援を実施した患者の看護計画や実施データには要支援患者の特性に応じたケア項目が反映されていた。さらに、要支援患者の退院困難な要因に対して退院支援看護師が実施した支援内容は、病棟看護師が立案した看護計画のケア項目と共通点が多く、看護計画に基づく情報共有や具体的な退院支援内容との関連性が明らかになった。